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酒田のラーメンを考える会
酒田のラーメンの特徴は何といっても魚介系ダシの効いた醤油味の澄んだスープである。そして昔ながらの伝統の上にさらに美味しさを貪欲に追求し工夫を重ねることによって日々進化しているのが新月のラーメンだ。
拳に似ていることからゲンコツと呼ばれる豚のひざ関節
しっかり
血抜きをし内臓を取り除いた鶏ガラ
あらかじめ下茹でした
ゲンコツ(=豚のひざ関節)5kg、鶏ガラ7羽分、モミジ(鶏足)1kg
を寸胴鍋に入れ煮始める。ゲンコツは割って入れるお店が多いが新月では割らずにじっくり時間をかけてダシを取るやり方だ。豚骨はイノシン酸、鶏ガラはグルタミン酸を多く含み、よく絡まることで深い旨味とコクが生まれるのだ。
そして肩ロースを入れる
まず
豚バラから
チャーシュー用の豚バラ肉と肩ロース肉を入れ、約2時間ほど煮込む。スープがチャーシューの旨さを引き出し、豚肉の脂分がスープの中に溶け出す味の相乗効果が生まれる。海鮮系のダシと違い、
動物系のダシは時間をかけて煮込むことによって味に深みが出て来る
のだ。バラ肉は脂身が外側に来るようにしっかりと麻糸で縛ってある。脂身の少ない肩ロースはバラ肉より煮込み時間は若干短かめだ。
背あぶら
背あぶらには不飽和脂肪酸が多く含まれスープに
独特の旨味とコク
を与えてくれる。また融点が低く溶けやすいので、最後の仕上げに背あぶらを振るお店も東京などでは人気だ。この段階で加えるのは、やはりまろやかな味わいを一番に考えているから。
根気よく丁寧にアク取り
背あぶらを入れた後は水を足して煮立つのを待ち、アクが出て来たら
こまめに火加減を調整しながら
丹念にアクをすくい取る。透明で澄んだスープはこうした地道な作業によって生まれるのだ。だんだん美味しい香りが立ちスープらしくなってきた。
チャーシュー用の肉をタレの中に
漬け込む
背あぶらをすくう
約2時間半ほど煮込んだところで鶏ガラとモミジを取り除き、チャーシュー用の肉は煮具合を見ながら徐々に取り出しタレに漬け込んでいく。
ダシが抜けた
背あぶらもすくい取り、寸胴鍋の中には
凝縮された旨味だけ
が残っていくという寸法だ。
魚介系と動物系
2種類のスープを合わせる
と
旨味が何倍にもなる
ヒラコ煮干し、トビウオ焼干し、根昆布、イカゲソ、宗田カツオ節、サバ節等の
海鮮系スープは、豚や鶏などの動物系と違って比較的短時間でダシが取れる
ので別鍋でつくって置き、この段階で合わせる。節類はイノシン酸、昆布はグルタミン酸を多く含み、動物系のダシと組み合わあさることによって旨味が何倍に膨らんでいくのだ。
さまざまな種類の
魚介系ダシ
別の寸胴鍋で夜用のスープをつくる
前日のスープを加える
さらに魚介系スープを加える
昼に出すラーメン用とは別に夜用のスープを分け、減った分はさらに魚介系スープを足す。ここで
前日つくったスープ
を加えるのが新月のスープづくりの大きな特徴。スープ全体のバランスが良くなるのだ。
ネギは一番最後に入れる
袋に詰めた
豚ガラ
袋に詰めた豚ガラを入れて味を整えていく。比較的遅めの投入は、あくまで魚介ダシの風味を損なわないための配慮だ。ニンジン、タマネギ、キャベツの芯と外葉など長ネギ以外の野菜類は約1時間煮込む。野菜類はスープに自然な甘味とマイルドな味わいを与えてくれる。長ネギは最後の30分ほどで取り出し、
豚ガラもダシの出具合を確かめて引き上げる。
営業前に最後の調整を加えて極上スープの出来上がりである。
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